|
皮膚の角質層がはく離した角片と皮脂腺から分泌、分解された皮脂との混合物をフケと言います。皮膚は毎日基底細胞で少しずつ生産され(メラノサイト)やがては垢となります。犬の場合ターンオーバー(角化角解作用)のサイクルは人間より早く、約20日とされています。(人間28日、年齢により違う) |
ターンオーバーを分かりやすく言いますと、夏、日焼けした肌が秋口には元の肌色に戻ります。紫外線で基底細胞に出来たメラニンは少しずつ押し上げられ約28日をかけて垢となり元の肌色に戻ります。フケは夏場には発汗が多く、角質層の水分量が多い為、目立ちませんが角質層が乾燥しやすい冬場には目立ちます。ブリーデング可能な年齢になると皮脂腺の発達に伴いフケが多くなる確立が増え、カユミを伴うこともあります。幼犬は冬場でもフケが出にくく、老犬になると少なくなると言われ固体差があります。皮脂腺の多い犬種はフケの発生が多くなる可能性があり、白毛より黒色の被毛はフケが目立ちます。フケには乾燥性と脂漏性がありますがここでは乾燥性を記述しています。
フケは皮膚の常駐菌(P・オーバル)により分解される
皮膚に住んでいる常駐菌、P・Ovale(オーバル)の数が多いとフケの頻度が高くなり、フケ症となります。P・Ovaleだけを殺菌する薬剤を塗布するとフケが止まることにより、P・Ovaleだけに作用する殺菌剤が使用されています。殺菌剤にはジンクピリチオン、イオウ、サリチル酸、レゾルシン(二硫化セレン)は犬用に使用されています薬効が強いと言われています。表皮を溶かす溶解材としての効能があります。他に、40近い成分がフケ止剤として上市されています。実際にはフケを取るのではなく、フケの原因である菌を殺菌、または滅菌するのです。市販シャンプーには殺菌剤を含む商品が数多く販売されています。酢酸クロルヘキシジンなども殺菌効果を狙い動物病院で販売されています。皮膚の生理学上、連用は避け、被毛理論(アミノ酸)(モイスチュアー)(弱酸性)ケアー製品を使用することが大切です。フケに対する内服薬はB1、B6、パントテン酸の効果が確認されています。
常駐菌は皮膚を守るバリアー機能がある。
ブドウ球菌やアクネ菌は黄色ブドウ球菌の進入を防ぎ皮膚へのバリアー機能の役割を果たしています。本来、微生物の進入を防ぐ善玉菌でもあるのです。皮膚に住むべき菌なのです。大切なのは常駐菌のバリアー機能を失うことなく、常駐菌やNMFを保護し、酸化した皮脂やフケのみを落すことが大切です。洗浄力の強いシャンプーや角質を溶かす殺菌剤入りのシャンプーの連用は控えるべきです。
被毛の静電気 被毛が乾燥すると被毛表面に水分子が少なくなり電気を通しにくくなり静電気が発生します。水分が多いと電気を通す為、静電気は発生しません。水のいらないシャンプーは帯電防止効果があります。 |
BACK
|