スタイリングやシャンプーの化学的応用
被毛は本来大変丈夫です。 被毛は腐りにくく、引っ張っても切れにくく大変丈夫なのです。被毛の中ではアミノ酸が 縦,横にブロック状に結合しています。 被毛内部の主な化学的結合は水素結合、塩結合、シスチン結合が主な結合になり通常は縦,横に結合して大変丈夫な結合組織となっています。
シャンプーは被毛内部の結合を切断、再結合を利用しているのです。
水素結合
被毛を水で濡らすと被毛は水分を吸収して柔らかくなります。被毛内部は縦,横に丈夫につながっているのですが横のつながりである水素結合が水により切断され結合力が弱くなりやわらかくなるのです。被毛は約30%の水を吸収し重くもなります。ドライイングにより、水分を除去すると(被毛を乾燥させる)再結合して元の被毛の状態に戻ります。サロンで最も多い結合の利用です。被毛を水で濡らしスタイリングするメニューは水素結合の応用になります。
塩結合
被毛のpHが弱酸性(pH5前後)の時,被毛内部の塩結合が最も強く水を吸収するだけでそれ以上は膨閏しません。被毛の等電点と言います。しかしシャンプーがアルカリ性やそれ以下の酸性であれば塩結合が切れて損傷することになります。犬の被毛のpH論争は間違い無くpH5前後の弱酸性なのです。アポクリン腺から分泌される汗も弱酸性ですが分泌後、時間,温度,湿度により常駐菌により分解されアルカリ化します。被毛はpH5前後の弱酸性に保つことが大切です。
シスチン結合 グルーミングではシスチン結合は利用されません。大変丈夫な結合で上記に述べた 水素結合や塩結合ではシスチン結合を切ることは出来ません。切るにはチオグリコール酸などがあり、再結合させるには臭素酸ナトリュウムや過酸化水素水で元の状態に戻します。 人間のパーマはチオグリコール酸でシスチン結合を切り臭素酸Naや過酸化水素水で 再結合させウエーブをつくります。 |
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